30年以上食品業界で培われた経験とは
大学卒業後、営業を経験したのち、食品の製造・販売を行う業界へと入社し、以後30年以上食品業界で経験を積まれてきたHさん。営業時代で培ってきた持ち前のコミュニケーションと行動力を活かし、製品の製造から管理、営業、マネジメントまで幅広く学んできたと言う。
食品を生産する上では必ず重要となってくる原料のロス率を押さえる取り組みに注力をし、また営業としての側面では商品の売上を昨対よりも2倍以上に盛り上げたという。長年培ってきたHさんの経験や知識はとても豊富で、周囲の社員からは大きな信頼を寄せられていた。
だからこそHさんは頭の念頭に常にリーダーシップと行動力という二つを置いて日々仕事に向き合ってきたという。
50歳後半、挑む最後のキャリア。転職活動の理由とは
30年以上という長い間を経て、しかしHさんは50歳後半に差し掛かり最後のキャリアを築いていきたいと考えていた。
Hさんが描く将来のビジョンの中に、「お客さまを笑顔にしたい」という信条がある。それは長年食品業界に携わり、安全性が高く美味しさを追及した食品を多くのユーザーに届けてきた製造という視点、そしてそのユーザーの笑顔をより近くで見ることのできる営業の視点、この二つが揃っていたからこその信条だったかもしれない。
今まで培ってきた知識と経験を、新たな食品のフィールドで活かしていき、最後のキャリアとして社会貢献をしていきたい、それがHさんの転職活動の大きな理由であった。だからこそ年収アップという面ではなく、業務のやりがいや企業理念への理解を優先した転職活動がスタートとなった。
そんな中でみらい人材サポートがHさんに提案したのはHさんが持っているビジョンにより近い想いを持っていたA社であった。
応募企業に感じた魅力
A社は創業100年以上の老舗食品メーカーで、常に食品業界にてトップシェアを誇る安定した経営基盤を持つ企業である。そして常に先を見据えている成長企業でもあり、より戦力を強化するために知識豊富な人材を求めていた。
HさんはそんなA社の企業理念に魅力を感じた。A社は製造している製品をユーザーのもっと身近なものへと感じて欲しいという想いがある。時代とともに変わってくる食文化の中だからこそ、そこに入り込むユーザーの健康的な生活と笑顔を守りたいという理念があった。またいかに食品は「安全・安心」であり、「新鮮さ」と「美味しさ」が必要かであることを考え続けており、その考えと共に企業として発展していきたいという従業員ひとり一人の強い想いと働き方に共感をした。
食品とユーザーのことを第一に考え、常に成長をしていくA社で、自身が経験してきた知識を活かして、最後のキャリアとして築きたいと考えたのだ。
企業とミスマッチしている部分をどのように埋めていくか
A社へと応募をし、面接を行うこととなったHさん。しかしHさんのキャリアと相性が企業の求めていた要項とミスマッチしている部分が懸念点となった。
- ・A社が取り扱っている商品とHさんがこれまで経験してきた商品の違い
- ・年収の大幅ダウンがあるため、短期就労にはならないか
- ・社内の雰囲気とHさんが持つ相性がマッチするか
主にこの3点を中心に、担当アドバイザーは企業とHさんの考え方を徹底的にヒアリングし、お互いの齟齬を埋めていくために面接対策を行うこととなった。
これまで取り扱ってきた商品が違う点については、出来上がった商品そのものではなく、その商品使われた原料にスポットを当て、その部分の考え方や経験を中心に話すこととなった。
年収の大幅ダウンについては、特に企業側が懸念点を持っていたところではあったが、2回の面接を経てHさんが持つ「信条」と「最後のキャリア」への強い気持ちを丁寧に言語化することで、企業側が持つ不安感を払拭していったという。
最後の社内の雰囲気とHさんの相性についても、長きにわたった面接の中で採用担当者とも信頼を築きあげ、また工場見学を行い現場の雰囲気をまずはHさんが受け止めることで、双方の理解を高めていった。
約1ヶ月の間、企業とHさんはお互いに不安や期待のある部分を打ち明けることで納得をし、そうしてご縁が結ばれることとなった。
A社が感じたHさんの魅力
Hさんがこれまで取り扱ってきた商品の原料の加工については、A社がこれからの企業成長にとって欲しいノウハウの一つだった。その他にも製品品質のためのTPSを導入し、その経験を活かして衛生管理・モラル向上、物流や人件費の経費低減など、豊富な知識を持ちそれを実行してきた。A社が持っていた課題についても、Hさんは寄り添い合い、自身だったらどうするかをしっかりと答えることができたのが大きかったという。
これからのA社の成長のためには、Hさんの知識は必要不可欠なものであったのだ。
最後に~入社後のご活躍~
いかがでしたでしょうか。Hさんは入社後、面接時に話したA社が持っていた課題の部分にも注力していっており、またHさんのマネジメント力が最大に発揮されており、企業側からも「とても頼もしいです」とご評価をいただけているそうだ。
50歳後半からの最後のキャリアを築くために踏み出した転職活動。長年培われてきた知識を新たなフィールドで活かしていきたいというHさんの強い気持ちが叶った転職事例でした。
▼転職事例を担当したキャリアアドバイザー