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会社には言えない秘密を抱えてた6年間。そして、決断の時。
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生まれも育ちも愛知県のWさん。大学は地元の私立大学を卒業され、東京本社の会社に就職する。最初の1年は名古屋支店の配属となったが、2年目の春に東京本社の管理部門に異動が命じられた。東京へ上京しその後の6年間は本社勤務となった。会社の管理部門の仕事は決して目立つ仕事ではないが、会社を陰から支えるその業務にやりがいを感じていた。
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しかし、Wさんには会社には公にしていない秘密があった。それは、Wさんご自身で独立開業するという夢があること。
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Wさんのご両親も個人経営している。そんなご両親の背中を見て育ったこともあり、いつかは僕も、と考えるのも確かにごく自然な流れだ。東京での生活でビジネスの刺激を受けたことも起因となったかも知れない。
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入社から6年目の夏、その思いは確固たる考えに至り、退職という決断をすることになった。
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退職後、約1年間は独立する業態について調査を行った。業界は決めていたが、具体的な商材を決めるには調査が必要だった。その後、商材を決め実務を積む為に店舗で修行始める所にまでいたった。
しかし、Wさんの考えに歯車が狂いだす。自分が思い描いてた理想と現実にギャップを感じ苦しむことに。Wさんが立てた事業計画は甘かったのかもしれない。希望的観測で計画を立ててしまったのかも知れない。退職する前に思い描いていた理想はもろくも崩れさってしまった。
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退職した当時、Wさんはもう戻ることのないと決めた会社員の道を再び歩み出すことに。退職してから既に2年の月日が流れていた。
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2年の空白期間を採用企業はどう評価されるのか?
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独立する夢をあきらめたWさんは、転職サイトを通じて愛知県名古屋市にある転職エージェントの[みらいキャリア]と面談をした。
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独立に向けて奔走した2年。決して遊んでいたわけではない。
真剣に取り組んだ独立準備し、結果的には失敗した2年を採用企業はどのような評価をされるのか?
客観的なアドバイスが欲しいと感じていたこともあり相談から始めることにした。 -
Wさんは、新卒で入社して2年後に本社がある東京に異動となった経緯や、独立する背景、会社を辞めてからの2年間を正直に[みらいキャリア]へ話をした。転職活動は無論初めて。何社か自分から応募した企業もあったが、書類選考の段階ではじかれるケースが多かった。その活動状況も正直に伝えた。
正直に話せたのは、[みらいキャリア]が愛知県地元の転職エージェントということもあり安心感を感じたからだ。
担当アドバイザーもWさんの状況は理解してくれた。しかし、アドバイザーからどうしても確認したいことがあると、改まって質問を受けた。担当アドバイザーが真剣な表情で質問をしてきたことに、Wさんはその質問の重要性を感じとった。
「Wさん、あなたは独立する夢を本当に断ち切った、ときっぱり言い切れますか?」
この質問にWさんは、その考えがないことを明確に伝えた。
2年間の日々は悔いの残らない活動であり、その想いはすでに断ち切った。断ち切っているから、ここにいるのだと。この想いに嘘や偽りはない。その回答でアドバイザーの表情が和らいだ。Wさんの次のキャリアに対する真剣な想いが、アドバイザーに伝わった瞬間だ。
独立する志向が強くまだ夢を捨てきってないならば、転職活動も苦戦するかも知れない。その想いを断ち切らない限り、次のキャリアを目指せないし、[みらいキャリア]からも企業へ紹介出来ないと感じていたからだ。
そして、その考えが少しでもあったのなら、採用のプロである企業の人事部門はその考えを見透かされ、指摘してくるだろう。そうなった場合、よい結果が生まれないことをアドバイザーも知っていたからだ。アドバイザーから、Wさんが提出した職務経歴書に、独立準備した2年間をしっかりと記述するようアドバイスを受けた。独立に関わる内容を職務経歴書に記載するには、後ろめたさを感じWさんは表現をしてこなかったのだ。さらに、次のキャリアを会社員として全うする想いがあることも追記することが必要だとアドバイスを受けた。
決して華やかでない陰から支えるそのサービスの魅力に気付く。ベストマッチした企業とは?
愛知県地元本社のS社。オフィスや公共施設、病院など都市生活のインフラ管理や施設全体を管理する企業として、名古屋市近郊エリアでの知名度は高い。
都市生活のさまざまなシーンで発揮され必要不可欠なサービスではあるが、華やかな世界とは言い難い。人々の生活において、目立つことなく陰から支えるその姿は人々から目を引く仕事ではない。むしろ、目立ってしまうとサービス品質に問題があることを意味する。
自然に、そして意識されることなく、でも必要不可欠な存在。例えるなら「水」や「空気」のような存在のS社にWさんは強い関心を抱き応募した。仕事内容は前職で経験した管理部門の業務だ。業務内容のマッチ度は高く前職の経験がまさに活かせる内容だ。
面接では前職の業務内容、そして離職後の2年の活動や心境を正直にお話した。
そして、独立する夢にすでに未練がないこと、やり切った2年であったこと、自身が経営者になるための計画に甘さがあったことなど、マイナスとも捉えかねない情報も正直に伝えることにした。
また、S社の事業内容に魅力を感じている点も明確に伝えた。決して目立つ仕事ではない。華やかな世界でもない。当たり前のことを当たり前にこなす仕事の大切さを知り、そんな企業を支える側になりたいと心から願い志望動機として企業にお話ししたのだ。
その結果、企業からもWさんの評価を高く得る事が出来、無事に内定となった。
S社は社内イベントが豊富にある会社だった。目立たない事業で働く社員に対して会社からの福利厚生の一環でもあった。そうした活動もあり、社員から当企業で働く満足度も高い企業でもあった。
その社内イベントを企画し実行運営するのもWさんに与えられる仕事の一つだ。S社はWさんのご経験に加え、そのお人柄とや当社を志望する理由が、それら社内イベント業務でも発揮してくれると感じたことも内定の要因だ。内定後の労働条件提示も快く承諾に至った。
一度は夢を諦めてしまったWさん。しかし、WさんはS社で貢献すること、陰ながら「会社」「社員」を支える仕事に貢献することで、また次の夢を見つけることができる、そう感じたWさんだった。
夢や希望に向かって諦めない姿勢は大切だ。
しかし、誰もがそれを実現・叶えれる程、甘くはない。
大切な事は夢や希望に向かって行動すること。
そして、どんな結末を迎えようとも、心からそれを受入れ、その行動の果てになにを学ぶかだ。
夢や理想があり、そして現実がある。行動の結果得られる者はなにか!?とても考えさせられる[みらいキャリア]の転職事例となりました。