経験を重ねるうちに本当にやりたいことが見つかった。
東京で生まれ育ち、都内の大学を卒業したSさん。大学を卒業後は東京にある某企業のシステム開発部にてシステムエンジニア(SE)として活躍してきた。
さらに専門的な分野のSEを目指すべく、金融機関のシステム支援会社に転職。システム改善業務を担当して3年、ここでSさんのキャリアに転機が訪れた。
それは総務部への異動。
ここでの総務業務は、これまでのSEとしての知識を活かして人事考課システムを導入し、社員が活き活き働くことができる制度を整えることだった。
これまでSさんはSEとして顧客の要望に応える為に企画提案及びシステムの改善など、対外的な対応が多かったが、総務業務では対内的な業務、つまり社員に向けて仕事をすることが多い。最初はそこに戸惑いを感じていたが、人事考課システムを導入して社員のやる気や目標管理が明確となり働きやすい環境を整えていくことにSさんは次第にやりがいを感じ始めた。
この業務を任されてから「人の成長は企業の成長に繋がる」ということに気が付いたSさん。
この時から、Sさんの“人事職”への想いが強くなってきていた。
システムエンジニアから人事職へ。新たなスタートを切る。
Sさんは人事担当者として専門的にキャリアを積みたいと考えるようになり、「人事職」を希望の軸として転職活動を始めた。
Sさんはこれまでの経験の中でシステム的な業務の企画開発に携わったことがあったことからその経験を活かし、人事職として人事基幹システムの導入をはじめ、社内研修の企画・運用業務、さらには人事考課制度の見直しだけでなく、人材採用業務など人事職として幅広く活躍できるメーカーに転職をした。
メーカーでの経験はもちろん、人事職としての経験がないSさんは、知識やスキルを身に付けるために毎日必死で仕事を覚え、キャリアの為、そして家族の為、無我夢中で働いた。
人事職としての経験はここからと思われた矢先、Sさんの人生を変えるある事柄が起こった。それはSさんにとってもっとも大切な家族のことだった。
業界未経験からメーカーへ そして家族のいる愛知県へ!
3社目に入社した時点でSさんはご結婚されており、お子さんを授かった。
奥様のご出身は愛知県であり、馴染みのない土地、東京での育児に不安を抱えていた。
そして奥様とお子さんは実家のある愛知県名古屋市に戻ることとなり、Sさんは一人東京で仕事をこなす日々が続いた。
しかし、夫としてそして父親として本当にこれでいいのか、Sさんは常に家族のことが気がかりで、できることなら家族一緒に暮らしたいと考えるようになっていた。
ただ、生まれも育ちも東京のSさん。いくら家族と暮らすと言えど、見知らぬ土地で生活をすることの決心はそう簡単ではない。
さらに人事職としてやりがいを感じ始めたこの経験を捨てることへの決心もつかない。
家族を取るのか、仕事を取るのか、Sさんは葛藤の中にいた。
そんな時受け取ったのが愛知県の転職エージェント「みらいキャリア」からの転職相談の案内だった。そこには「愛知県内/メーカー人事職」求人情報も添付されていた。
葛藤の中にいたSさんは、「相談だけでもしてみよう」とみらいキャリアからのメールに返信をし、転職相談を申し込んだ。
自分自身が抱えている“家族と仕事”への想いを面談時に正直に話をしていいのか、自分の葛藤は理解してもらえるのか、面談前はそんな不安があった。
いよいよ愛知の転職エージェントと東京のSさんの“遠距離面談”が行われた。
みらいキャリアが名古屋の転職エージェントであることから、電話で転職相談がスタート。
Sさんは東京都出身であり、これまでずっと東京で生活してきたことから、紹介された求人企業の具体的な事業内容はおろか勤務地さえイメージができずにいたが、愛知県地元出身のみらいキャリアアドバイザーから企業の特色や愛知という場所について説明を受け、ひとつひとつ理解をしていった。
そして転居をして家族と一緒に暮らしながら仕事をすることへのイメージが沸くようになった。
家族とキャリアを両立したいこと、転職をして愛知に転居することの不安など、アドバイザーと本音で話をすることで、心のモヤモヤが少し晴れ、やってみなければわからない!と思うようになり、紹介された複数の求人への応募を決めたのだった。
応募した求人はどれも愛知県内にある、自動車関連メーカーの人事職であり、中でもSさんが強く関心を持った企業は「労務管理システム運用を担当する人事職」であった。
Sさんは自動車業界はもちろん、メーカーでの経験がない為、不安はあったものの、これまでのシステム関連業務と人事の経験を活かせることが企業からの評価ポイントとなり、無事内定を頂くこととなった。
これまでに培ってきた経験を活かしながら、人事職としてのキャリアをさらに積むことができること、そして何より大切な家族と一緒に生活をすることを一番に考えたIターン転職が叶った瞬間だった。
担当キャリアアドバイザーの声
S様は当時東京にお住まいで、「Iターン転職」を希望して愛知県にある当社に転職支援の依頼をしてくださいました。
面談前の情報では、なぜ愛知県への転職なのか、不鮮明だったのですが、面談時にとても丁寧にこれまでの経験や家族のこと、今のお気持ちなどをお話しくださったことに共感し、その思いに応えるためにも幅広く求人をご提案いたしました。
S様の人事職としてのキャリア形成とそして何よりご家族と一緒に暮らすことを実現するためのお手伝いができたことをとてもうれしく感じております。
今後もご家族とともにS様の愛知県でのご活躍をお祈りいたしております。
本事例のように、転職は人生において大きな転機であることから、今後も求職者様目線で転職支援を行いたいと思います。