100年の歴史がある企業が抱えていた経営・人材課題(企業側)
愛知県名古屋市郊外にある設備メーカーK社は創業100年を超える老舗メーカーだ。地場産業の貢献するともに、自動車や鉄鋼関連への新規事業も取り掛かり、まさに地元と共に育ってきたのが同社だ。しかし歴史ある企業ではあるが、K社が抱えていた経営課題の一つが人材採用と組織だった。
同社の技術を長年支えてきた機械設計の社員も高齢化が進み技術の継承と若手社員への教育が経営課題となっていた。K社は20代の若手社員はいるもの経験値の部分で不足していることは否めず、20代の若手と50代の社員との間に立つ中間層の採用が必須であり、近い将来は管理者としての働きを期待した人材採用が急務だった。
しかし、愛知県及び東海エリアは自動車産業や航空・宇宙産業など製造業が盛んであり、昨今の人材不足の市況から採用には苦戦していた。K社は歴史はあるものの、企業規模は中規模。採用競合となる企業も多く、K社に関心を持つ候補者が1年近く見つからない現状が続いていた。
大きな組織に組みこまれる事を嫌い、そして本当の意味のキャリアアップを目指したい(求職者側)
地元の理工系大学の機械学科を卒業以後、順調に機械設計キャリアを歩まれてきたAさん。6年前に転職し、大手メーカー系列企業の機械設計エンジニアとして設計業務のみならず、プロジェクトリーダーとしての立場で忙しい日々を過ごされていた。
目まぐるしく変化する技術とそのプロジェクトは愛知県内にある複数の開発現場が対象となり、数年単位で勤務地も変わる現状だった。働き盛りの30代とはいえ、早朝に家を出て、そして帰宅も夜遅い。まだ小さなお子様を抱えながらの働き方は家族の支えがあるからではあるが、プロジェクトの忙しいさと共にAさんの心境は次第に変化することになった。
大きな組織・大きなプロジェクトで働く事のやりがいを感じるの事実だが、それは家族がいたからこそ。自らのキャリア、そしてそれを支えてくれる家族にとって、このままこのキャリアを続けていくことが果たして本当に正しいことなのか? そんな漠然とした想いで初めた転職活動だった。
転職活動を始めるうちにAさんの気持ちは次第に変化していく。それは、大きな組織の中で組み込まれるよりも、自分自身をもっと必要してくれる会社があるのではないか?大きな企業で働く事だけがキャリアアップなのか? プロジェクトリーダーとしてプロジェクトの管理や人材育成などの業務にやりがいを感じれるような仕事でがしたいが、今まで自分を支えてくれた家族との時間を取れるような企業なら尚のこといい。Aさんは転職活動する中で次第に自分の想いを固めていき、そしてK社との出会いとなった。
K社との出会いでAさんの想いは確信に繋がった。Aさんが求めていた条件に唯一当てはまったのがK社だった。一つ心配なのがK社が製造しているアイテムは未経験であったことだ。一言で機械設計としていっても製品設計や構造設計、意匠設計など幅広い。K社が扱っているアイテムの設計経験がない。企業がどう評価してくれるかがポイントとなった。また、年収ダウンが予測される。家族との話し合いが必要だと感じていた。
両社(者)の繋ぐ為に懸念となる事項を事前に解消
K社との採用面接でAさんは評価を頂くことが出来た。K社が抱えていた経営・人材課題を解決できる、経験に裏打ちされたリーダー経験、そしてなによりAさんのキャリアの将来像がK社が実現したい将来像と一致したのだ。
しかし、懸念点もあった。企業側の懸念点はやはり自社が扱っている設計アイテムの経験がないこと、そしてAさんの懸念点は年収ダウンが予測されることだった。
K社の懸念点はAさんの前向きな気持ちを担当アドバイザーが確認し、今後のAさんにとって足りない点をどうやって補っていくかを計画を立て、説明することでK社は納得、正式な内定を頂く事となった。
内定条件は当初の予測通り年収ダウンの結果に。しかし、担当アドバイザーが事前にその可能性を説明されていたので、驚きや戸惑いはなかった。今の生活を続けるよりも、家族との関わり方が大幅に改善する点が見込まれることも担当アドバイザーから説明もあり、また年収条件も最小限のダウン留めることが出来た。なによりも時間の確保が出来き、今まで心配と苦労を掛けていた家族へ恩返しも出来る。決してお金に換えられない働き方・そして仕事内容だとを感じ快くAさんはK社のオファーを承諾することとなった。
担当キャリアアドバイザーの声
AさんとK社の出会いはまさに運命的な出会いだったと感じています。
Aさんは、就業後にも環境や仕事内容に対して満足しているコメントを頂く事が出来ました。そして、将来的な管理者になるべく、今現在も変わらぬ努力をし続けておられます。また、転職後は家族と過ごす時間も大幅に増え、それらが、ますますのAさんの活躍を促進されることにもなるのではと思います。今後のご活躍が楽しみな転職事例になりました。
そして、K社が抱えている課題解決の一旦となる採用に少なからず貢献できたことに嬉しく思います。東海エリアの製造業は大手メーカーから地場の中小企業まで星の数ほど存在し、そして技術継承や、次世代の管理職・リーダー人材の育成に課題を抱えている中小企業も数多くございます。これからも、1社でも多く経営採用課題に解決に向けて取組んで参ります。