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製造業におけるシェアリングエコノミーの可能性|種類と事例を解説

みらいキャリア編集者

 

製造業におけるシェアリングエコノミーの可能性|種類と事例を解説

 

PwCの調査によれば、日本におけるシェアリングエコノミーの一般認知率は50%を超えています。また経済産業省は「シェアリングエコノミーに関する実態調査」にて、シェアリングエコノミーの国内年間取引額が1兆5,000万円を越えたと発表しました。「シェアリング」は我々の生活に根付きつつあります。

製造業においても、シェアリングエコノミーは今や当たり前の考え方です。特に製造業が盛んな東海エリアでは、既に多くの企業がシェアリングエコノミーを取り入れています。

本記事では、製造業におけるシェアリングエコノミーの種類と事例を紹介します。製造業でどのようにシェアリングエコノミーが活用されているか知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

シェアリングエコノミーとは?

シェアリングエコノミーとは、物・場所・スキルなどを他者に貸し出しすることです。使っていない資産や余っている資産を他者へと貸し出し、利益を得ます。借りる側は物・場所・スキルを所有せずとも、新たな利益を生み出せることがメリットです。

シェアリングエコノミーは企業規模に限らず、個人規模でも活用できるサービスです。たとえば近年流行っているのが、観光客に自宅の空き部屋を貸し出すサービス。有効活用できていないスペースを活用し、利益を得ることができます。

シェアリングエコノミーは貸す側・借りる側の両方が利益を得られる考え方です。

製造業×機器のシェアリングエコノミー

製造業で用いる計測器や工作機などは、導入費が高額であることがほとんどです。頻繁に利用しない計測器や工作機を購入することは、コストパフォーマンスが良いとは言えません。

そこでシェアリングエコノミーを活用し、必要なときにだけ他の企業から機器を借ります。機器のシェアリングエコノミーは、経費削減のための1つの選択肢です。

【事例】「貸したい企業」と「借りたい企業」をマッチング|Sharing FACTORY

愛知県に本社を置くSharing FACTORYは、企業間の機器の貸し借りをサポートしています。貸し借りできるのは大型の工作機械から小型の計測器までさまざま。たくさんのものづくり企業が集まる愛知だからこそ展開できるサービスですね。

シェアリングエコノミーイメージ

製造業×工場のシェアリングエコノミー

「工場の貸し借り」もシェアリングエコノミーの一環です。具体的には1つの工場を複数企業で共有し、工場の建設費や運営費を削減します。現状では実現できている企業は少ないですが、ものづくりの在り方を大きく変えうるサービスです。

【事例①】生産設備の貸し借りを仲介|Sharing FACTRY

企業間の機器の貸し借りをサポートするSharing FACTRYは、生産設備の貸し借りにも対応しています。具体的には、借りたい側の企業が貸したい側の企業へと素材や部品を持ち込み、工作機や検査機を使わせてもらいます。Sharing FACTRYのサイト内から、両者は手軽にマッチング可能です。借りる側と貸す側、両方がメリットを得られるサービスですね。

【事例②】生産設備を共有するクラウドマニュファクチャリング|日立製作所

国内大手電機メーカー日立製作所は、複数の工場・企業で生産設備を共有する「クラウドマニュファクチャリング」の開発に取り組んでいます。ただ生産設備を共有するだけでなく、どの生産設備でも同等品質を担保する部分にまで力を入れています。

これまで生産設備の共有は、技術的に難しいとされてきました。理由は生産の現場が、熟練者の作業に依存しているからです。そこで日立製作所は、熟練者の加工ノウハウのデジタル化を実現。加工ノウハウをインターネットで共有することで、どの生産設備でも品質を担保できるようになりました。

日立製作所のクラウドマニュファクチャリングは、設備投資が難しい中小企業への設備提供も視野に入れています。クラウドマニュファクチャリングが普及すれば、中小企業にとっても追い風となるでしょう。

製造業×人のシェアリングエコノミー

シェアリングエコノミーには、スキルや人材を共有するという考え方もあります。具体的には自社では実現できない人的な技術やスキルを一次的にそのノウハウを得る事が出来る仕組みです。クラウドソーシングという単語がシェアリングに当てはまるかもしれません。必要なときに必要なスキル・人材を得られれば、自社で抱える人件費の削減にもつながります。

しかし、汎用的な技術ならば問題ないですが、機密事項含む特定技術となると、技術流出にも繋がる恐れがあることから、この課題をどう解決するかが今後の課題になるでしょうか。

【事例】遠隔で他人の体を操作|早稲田大学理工学術院

早稲田大学理工学術院では、「ボディーシェアリング」の研究が進められています。具体的には、遠隔で他人の体を操作する技術です。電極バンドから筋肉へと電気信号を送ることで、他人の体の操作が実現します。

ボディーシェアリングは開発段階の技術ですが、もし実用化すれば、製造業でも活用が見込めます。たとえば体の操作を通じた、現場での作業のレクチャー。空間や身体の制限がなくなることで、あらゆる可能性が実現します。

製造業とシェアリングエコノミー

【まとめ】製造業ではシェアリングエコノミーがますます普及する!

シェアリングエコノミーは、利用する両者がメリットを得られる考え方です。余った物・場所・スキルを共有することで、無駄をなくしたものづくりが実現します。製造業においては、今後もますますシェアリングエコノミーが普及するはずです。

シェアリングエコノミーに対する理解を深め、ものづくり業界の変化に対応しましょう。

【参考文献】

・EXtellogence 製造業にも押し寄せるシェアリングエコノミーの波

https://xeex-products.jp/extelligence/sharingeconomy-of-manufacturing/

・新価値創造NAVI「ものづくり」環境の大きな変化に対応。生産性向上に寄与する新しい生産システム「クラウドマニュファクチャリング」

https://shinkachi-portal.smrj.go.jp/webmagazine/w17dz/

・東洋経済 「他人と体をシェア」36歳早大准教授の凄い研究

https://toyokeizai.net/articles/-/391125

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