近年ものづくりの現場において、「IoT(アイ・オー・ティー)」という言葉を耳にする機会が増えました。総務省の調査によれば、2022年には世界のIoTデバイス数が340億台を超えると推測されています。中でも産業用途においては、IoTへの期待が特に多いです。
しかし一方で、そもそもIoTの意味やメリットを分かっていない人も多いでしょう。
そこで本記事では、IoTの意味やものづくり現場における活用事例を紹介します。IoTのことがよく分かっていない人は、ぜひご一読ください!
目次
そもそもIoTとは
IoTは「Internet of Things」の略です。日本語では「さまざまな物がインターネットにつながること」を意味します。
これまでインターネットに接続される物として、一般的にはパソコンやスマホなどがイメージされてきました。しかしIoTにおいては、身の回りの家具・家電から建造物まで、あらゆる物がインターネットに接続されます。
具体的には、IoTにより以下のようなことが実現します。
- •物を遠隔で操作する
- •物の状態を遠隔で確認する
- •物同士で情報交換を行う
例えばiRobotが販売するロボット掃除機「ルンバ 900シリーズ」も、IoTを活用した製品の一例です。本体とスマホをインターネットでつなげることで、外出先から本体を起動したり、清掃状況を確認したりできます。加えて同社が販売するロボット吹き掃除機「ブラーバ ジェットm6」と情報交換を行い、掃き掃除と拭き掃除を交互に実施可能です。
ルンバ 900シリーズ:https://www.irobot-jp.com/product/900series/
ブラーバ ジェットm6:https://www.irobot-jp.com/braava/m-series/
IoTが普及し、あらゆる物がインターネットに接続されることで、我々の生活は更に便利になると期待されています。
ものづくりにIoTを活用した事例
ものづくり分野においては、既にさまざまな企業がIoTを取り入れています。ここでは、ものづくりにIoTを活用した事例を紹介します。
【ものづくり現場でのIoT活用①】製造工程の可視化
IoTを製造現場に導入すれば、あらゆる機器の稼働状況をモニタリングできます。結果として、製造効率のアップにつながります。
丸物部品の加工を専業で行う飯山精器株式会社は、製造工程の可視化に取り組む企業の1つです。同社は工作機械と連動する三色灯をセンサーで読み取り、稼働状況を遠隔で監視する技術を導入。工作機械の稼働状況を可視化することで、稼働率の向上に成功しました。
飯山精器株式会社:http://iiyamaseiki.co.jp/
IoTで製造工程を可視化すれば、製造現場全体の生産性も上がります。
【ものづくり現場でのIoT活用②】機械の故障防止
機械をインターネットにつなげ、常時モニタリングしていれば、突然の故障も未然に防止できます。
可食プリンタを販売する株式会社ニューマインドは、販売後の製品に故障が発生した際、原因解明が困難であることが課題でした。そこで同社は可食プリンタの稼働状況をインターネット上にアップロードする仕組みを構築。可食プリンタの稼働状況をリアルタイムで取得することで、故障原因を正確に把握できるようになりました。
株式会社ニューマインド:http://www.newmind.co.jp/
機械をより長く安全に使うためにも、IoTは役立ちます。
【ものづくり現場でのIoT活用③】より価値のある製品・サービスの提供
IoTの活用は、これまでになかった製品やサービスにもつながります。
株式会社ヤマナカゴーキンが開発した「ピエゾボルト」は、IoTを活用した次世代技術の一例です。ボルトに電圧素子を内蔵することで、締結部位にかかる圧力計測を実現しました。高精度な圧力計測はシミュレーション精度や保全性向上にもつながるため、あらゆるシチュエーションでの活用が期待されます。
株式会社ヤマナカゴーキン:https://www.yamanaka-eng.co.jp/
今後もIoTが普及することで、より価値のある製品・サービスが続々と登場することでしょう。
ものづくり大国愛知は「愛知県IoT推進ラボ」で企業を支援
数多くの企業が製造拠点を構える愛知でも、既にIoTの推進が始まっています。2015年には、県が主導となり「IoT推進ラボ」を設立。中小企業に対して、以下のような支援を行っています。
- •プロジェクト発掘・組成
- •PR活動
- •新着情報提供
- •セミナー・研修会
- •実証実験支援
- •マッチング支援
- •窓口相談・IoT導入支援
資金やノウハウが不足する中小企業でも、IoTを導入しやすい体制が整っています。特に愛知県が推進している自動車やロボットなどの産業においては、IoTに対する期待が大きいです。今後はものづくり大国の愛知が、日本のIoTを牽引していくことでしょう。
参考:「愛知県IoT推進ラボ」
【まとめ】IoTはものづくりに大きな変化をもたらす!
IoTの普及で、ものづくりの在り方に大きな変化が訪れています。製造工程の可視化や機械の故障防止は、各企業が生産効率を上げる大きな手立てとなるでしょう。
また日本のものづくりを牽引する愛知においても、さまざまな企業がIoT導入を推進しています。ものづくりに携わるにあたっては、今やIoTに関する知識は欠かせません。IoTについて理解を深めたうえで、ものづくり現場の進化に対応しましょう。
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