自動車、機械、電気電子をはじめとする製造業・メーカーでよく目にする制御設計職は、様々な工業分野で需要が高い職種です。
今回は「制御設計ってどんな仕事?」「制御設計を目指すために必要なスキルは?」など、制御設計の仕事内容への疑問を解決していきます。
制御設計としてプロフェッショナルを目指していきたい方、これから制御設計のスキルを身に付けたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
制御設計の仕事内容をカンタン解説
制御設計の具体的な仕事内容
制御設計職は、機械やシステムを自動的に制御するための回路やプログラムの設計を行います。
例えば、自動車業界ではエンジンやブレーキ、電気自動車のバッテリーシステムなどの動作を正確に制御するための設計を行います。
機械設備業界では、産業用ロボットや自動化された製造ラインの動きをコントロールするシステムの設計が主な業務です。
電気電子業界では、家電や通信機器、コンピュータなどの電子機器の回路やソフトウェアを設計し、製品が効率的に動作するようにします。
どのような業界でも、制御設計は機械の動作を最適化し、安全性や効率を高める重要な役割を果たします。私たちの身の回りにある多くのシステムを支えているのが分かります。
制御設計は主に【1】要件の定義、【2】仕様の策定・設計、【3】プログラミング、【4】動作のテスト・改善、【5】製品への組み込み、の5つで構成されます。
次に、それぞれの仕事内容について簡単に解説していきます。
【1】要件の定義
【2】仕様の策定・設計
【3】プログラミング
【4】動作のテスト・改善
【5】製品への組み込み
制御設計の仕事の1日のスケジュール例
【一日のスケジュール例】
※プロジェクトの進捗状況や会社、業界によって異なります。以下は自動車・機械・電気電子業界での制御設計職の一般的な一日の流れです。
8:30 出勤
出社し、メールやスケジュールを確認します。設計チームや他部署と今日の進捗確認の打ち合わせを行う準備を進めます。
9:00 朝礼~打ち合わせ
プロジェクトチームとともに、進行中の案件や設計プロジェクトの進捗確認を行います。必要に応じて、他部署との調整も実施します。
10:00 設計業務開始
CADソフト(AutoCAD、SOLIDWORKSなど)を使用して、制御システムの回路設計や配置を行います。また、制御プログラムの要件定義や仕様書作成も進めます。
12:00 昼休憩
13:00 設計業務再開
引き続き設計業務を行い、必要に応じてPLCやプログラミング言語(C、C++など)を使用してプログラムを作成します。動作テストやシミュレーションも行います。
15:30 技術打ち合わせ・進捗報告
プロジェクトの進捗状況をまとめ、技術的な問題点があれば関連部署と共有します。必要に応じて、仕様の見直しや改善点の提案を行います。
16:30 動作テスト・デバッグ
設計した制御システムの動作テストを実施し、不具合があればデバッグを行います。現場での組み込み作業のための準備や調整も行います。
17:30 事務作業~退勤
業務日報や進捗報告書を作成し、明日の作業の準備を行います。終わったら退勤です。
制御設計の魅力ややりがい
制御設計の魅力ややりがいの一つは目に見える達成感があることです。
例えば、私たちの身の回りにある身近な製品はもちろん、工場で使用されている機械まで、様々なものに制御設計が携わっています。
実際に自分が設計したシステムが目の前で動き、生活を支えていることを実感できるのはやりがいにつながります。
また、制御設計は製品やシステムの「頭脳」を設計するため、ものづくりの根幹に関わることができる仕事と言えるでしょう。
技術の進化が激しい分野のため、常に新しいスキルや知識を吸収し、成長し続けることができる仕事が制御設計職です。
\現場の声/モノづくりのプロから制御設計の魅力を聞いてみました!
制御設計の一番の魅力は、自分が設計したプログラムが実際に車を動かす瞬間です。システム全体を理解しつつ細部まで設計するので、難しさもありますが、その分達成感が大きいです。自動運転や電動化が進む中で、毎日新しいチャレンジができるので飽きることはありません!
機械業界では、制御設計の影響が大きく、どれだけ効率的に動かせるかがポイントになります。完成した機械がスムーズに動くのを見たときは本当に嬉しいですね。モノづくりが好きな人には、この緻密な作業がたまらないはずです!
家電製品は、私たちの日常生活に密接に関わっています。その家電が、私が手がけた制御システムで動いていると思うとすごく誇らしいです。消費者の声もダイレクトに届く業界なので、改善のアイデアもすぐに活かせます!
制御設計の難しさやつらさ
制御設計の難しさやつらさは、複雑なシステムを理解し、正確に動作させるための高い技術力と専門知識が求められる点です。
設計段階では、さまざまな要素や条件を考慮しなければならず、試行錯誤が避けられません。また、トラブルシューティングの際には、問題の原因を迅速に特定し、適切な修正を施す能力も必要です。さらに、プロジェクトの締切に追われる中で、常に品質を保つことが求められるため、精神的な負担も大きくなりがちです。
常に新しいスキルや知識が求められるため、積極的に自ら学ぶ姿勢を忘れずに取り組んでいかなければいけないでしょう。
制御設計に向いている人
モノづくりが好き
制御設計は、実際の製品やシステムを設計・開発するプロセスです。ものづくりに対する情熱や興味がある人は、この職種において楽しみながら働けるでしょう。自らの手で形にしたものが世の中に出ていく喜びは、モチベーションとなります。
論理的思考力が得意
制御設計では、複雑なシステムを論理的に解析し、最適な解決策を見出す能力が求められます。問題を分解して整理し、各要素の関係性を理解する論理的思考が得意な人は、設計の過程での意思決定を迅速に行えるため、成果を上げやすいです。
技術への好奇心・学習意欲がある
制御技術は常に進化しています。新しい技術や手法を学ぶことに対して前向きな姿勢を持っている人は、変化する業界に柔軟に対応し、常に最新の技術を取り入れることで、より優れた設計を行うことができます。
人と関わることが好き
制御設計はチームでの作業が多く、他のエンジニアや関係者との円滑なコミュニケーションが不可欠です。また、問題解決においては、意見を交換し合いながら課題に取り組む姿勢が重要です。協力して問題に向き合い、解決策を見出す力が求められます。
制御設計に必要なスキル・知識
制御設計に必要なスキルは多くありますが、その中でも特に重要視されるスキルを5つに分けて紹介します。
電子工学や回路設計などの知識
制御設計には、電子工学や回路設計に関する基礎知識が不可欠です。電子回路やセンサーの仕組みを理解することで、システムの動作原理を把握し、適切な設計を行うことができます。特に、制御システムがどのように機能するかを理解するためには、これらの知識が重要です。
プログラミングの知識
制御設計では、プログラミングが重要な役割を果たします。機械を制御するためのPLCなどのプログラムを書くためには、C言語、C++、Pythonなどのプログラミング言語に関する知識が必要です。また、プログラミングのスキルは、制御アルゴリズムを実装する際にも役立ちます。
CADの操作スキル
制御設計では、システムの設計や図面作成にCAD(Computer-Aided Design)が頻繁に使用されます。CADを使って正確な設計図を描くことで、製品の開発プロセスを円滑に進めることができます。操作スキルが高いほど、効率的に設計業務を行えるでしょう。
語学・論理的思考力
国際的なプロジェクトや文献の参照が増えているため、英語などの語学力が求められます。技術文書や仕様書を理解し、正確にコミュニケーションを取るために、語学力は必要です。また、論理的思考力は、複雑な問題を解決するために欠かせないスキルであり、システムの動作を分析する際に役立ちます。
コミュニケーション能力
制御設計はチームで行う作業が多いため、円滑なコミュニケーション能力が必要です。他のエンジニアや関係者と意見を交換し、共同で問題を解決するための能力が求められます。また、プロジェクトの進捗状況や課題を共有するためのコミュニケーションスキルは、プロジェクトの成功に大きく寄与します。
制御設計に役立つ資格
ここでは、制御設計に活かせる資格を紹介していきます。※業界・企業によっても活かせる資格は変わってきます。
情報処理技術者試験
情報処理技術者試験は、IT分野での専門知識や技術を評価する国家試験です。
基本情報技術者試験や応用情報技術者試験などがあり、プログラミングやシステム設計、ネットワーク管理など幅広い分野が対象です。
制御設計職では、システムの理解やプログラミングスキルが求められるため、情報処理技術者試験で得た知識は、制御システムの設計や開発において非常に役立ちます。資格取得はキャリアアップの一助にもなります。
CAD利用技術者試験
CAD利用技術者試験は、CADの使い方や技術に関する知識とスキルを評価する資格試験です。この試験には、2次元CADおよび3次元CADの操作技術、図面作成、設計業務におけるCADの活用方法などが含まれています。
制御設計職において、CAD利用技術者試験の知識は、機械や電気回路の設計図を作成する際に役立ちます。正確な図面作成は、プロジェクトの成功に直結するため、CADのスキルを持つことは大きな強みとなります。また、試験を通じて得た知識は、設計業務をより効率的に進めるための基盤となります。
電気製図技能検定
電気製図技能検定は、電気関連の図面を正確に作成するための知識と技術を評価する国家資格です。この検定は、電気回路や配線図、制御回路図、電気設備の設計図など、電気製図に関する専門的なスキルを測定します。
この資格を取得することで、電気設計や制御設計において求められる図面作成能力が証明され、職場での信頼性や評価を高めることができます。特に制御設計職では、正確な製図スキルが必要不可欠であり、図面の理解や作成において役立つため、キャリアの向上につながる重要な資格です。
電気主任技術者
電気主任技術者は、電気設備の保安や運用管理を担当する国家資格です。主に発電所や工場などの電気設備を安全に運用するため、定期点検やトラブル対応を行います。この資格は、電気事業法に基づいて電気設備の安全性を確保する重要な役割を担っています。
制御設計職においても、電気主任技術者の知識は回路設計やシステムの安全性を理解する上で役立ち、業務の質を向上させることができます。
制御設計の将来性やキャリアプラン
制御設計の将来性
自動化やロボティクスの進展により、制御設計の需要はますます高まっています。特に製造業や物流業界では、効率化を図るために高度な制御システムが求められています。
制御設計のプロフェッショナルは今後ますます重要な役割を果たすことが期待されており、新たな市場の創出や技術革新に貢献できるポジションが多く用意されているでしょう。
制御設計のキャリアプラン
制御設計のキャリアプランは多岐にわたります。
まずは、制御設計の基礎を学ぶためにエンジニアとして現場で経験を積むことが重要です。この段階で、プログラミングやシステム設計、トラブルシューティングなどのスキルを身につけます。
次に、中堅エンジニアとして、プロジェクトリーダーやチームリーダーの役割を担うことで、より大規模なプロジェクトの管理能力を養うことができます。さらに、専門的な知識を深めるために、関連する資格を取得することも有効です。
最終的には、技術的な専門家としてだけでなく、マネジメントや戦略立案を行うポジションへと進むことも可能です。これにより、企業内での影響力を高めたり、他の業界への転職も視野に入れることができます。制御設計のキャリアは、技術の進化とともに広がりを持っており、常に新しい挑戦と成長の機会が存在します。
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今回は、制御設計の仕事についてカンタンに解説しました。少しでも制御設計という職種への理解が深まったなら、嬉しく思います。
制御設計職は技術的なスキルや知識を駆使し、ものづくりの現場で重要な役割を果たす仕事です。
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