製造職と言っても、取り扱う素材や部品によって、仕事内容は多岐にわたります。また、取り扱う機械も幅広く、様々な知識やスキルを磨いていく必要がある奥深い仕事です。
今回は、製造業の魅力の一つである工場でのプレス作業をカンタンに解説します!
目次
プレス作業の仕事内容をカンタン解説
プレス作業の仕事内容
プレス作業は、プレス機と呼ばれる機械を使って金属やプラスチックなどの素材を特定の形状に加工する仕事です。
必要な形状のパーツをつくりだすこの工程は、製造業で取り扱うほとんどの製品・部品に必要な作業です。そのため、プレス作業を行う仕事は、日本のモノづくりを支えるために必要不可欠なポジションと言えるでしょう。
変形させる際には、プレス機で外部から圧力をかけるだけでなく、人の力でコントロールすることも重要です。力の加え方や圧縮時の金属板の向き、曲げる角度など、様々な要素で人の技術が必要とされます。
小型から大型まで!多種多様なプレス機
プレス機には小型から大型まで、多種多様な種類があります。
例えば、1万7000トンの世界最大の巨大プレス機(高さ29m/幅9 m)もあれば、ICチップなどの小型部品の成形に特化したサイズのプレス機もあります。
プレス作業の手順
①材料を金型にセット
1つめの工程は、材料である金属板などを金型にセットします。金型とは、材料を特定の形状に変形させたり、くりぬいたりするための工具です。
必要とされる型に加工ができるように、正しい位置・角度にセットし、準備を行います。
②プレス機で圧力をかける
2つめの工程は、プレス機で上下から圧力をかけて変形させる作業です。
プレス機の金型を駆動させる動力装置には主に「機械式」と「油圧(液圧)式」の2種類があります。
機械式は、モーターの回転運動の動作を用いてスライドを上下させ、圧力をかけるプレス機械のことです。往復動作のスピードが速く、大量生産に向いている機械です。
一方で油圧式は、油圧や水圧などの液圧によって駆動するプレス機のことです。機械式と違い比較的安価で導入しやすいメリットがあります。細かい加圧や加工が可能となります。
③仕上げ
最後の工程は、加工された金属板の仕上げを行う作業です。工場やつくりだすモノによって仕上げの方法は様々ですが、一般的に表面を磨き上げる作業が多いでしょう。
■プレス加工とは|単発プレス、トランスファ、順送プレスなどを紹介
■15分工場見学!知ってそうで知らない板金プレス!
プレス機の扱い方を間違えると、怪我につながる危険性があります。安心・安全に作業できるよう、正しい方法で進めましょう。
プレス作業でつくられるもの
最もイメージしやすいのは、自動車部品です。自動車の種類によって変わる車体の部品は、プレス機で作られます。
トヨタ自動車をはじめとした自動車業界での競争は激しく、今後も新しいモデルが次々と出てくるでしょう。最先端の部品づくりに常に対応していくため、プレスの仕事が少なくなることはありません。
また、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビ、パソコンなどの家電製品の部品にも携わります。いずれも生活を豊かにする製品のため、重要な仕事の一つと言えるでしょう。
プレス作業を仕事にする魅力
やりがいや達成感を味わえる
モノづくりの特権とも言える、完成した製品の達成感を形として感じられることが魅力です。
プレス業務では、必要な部品が完成したときにその達成感を味わうことができます。さらに、自分が手がけたパーツが使用されている製品を見ることで、自身の仕事のやりがいを実感することができます。
体力・腕力がなくても活躍が可能
プレス業務といえば「力仕事」というイメージがつきものです。確かに人の力でコントロールする場面もありますが、体力・腕力がなくても活躍は可能です。
プレス作業には様々な役割があり、力が必要な作業だけでなく、機械の操作をするための知識も重要だからです。
近年では自動化やロボット化も進んでおり、人の力に頼らずに作業を行うことも可能です。
専門的なスキル・知識が身につく
様々な機械や部品を取り扱うため、製造業に必要とされる専門的なスキル・知識が身につくのも魅力です。
経験を積むことで、より高度なプレス業務を遂行することが可能となります。その結果、製造業界でのキャリアや専門職としてのステップアップが見込めます。
\現場の声/モノづくりのプロからプレス作業の魅力を聞いてみました!
大型プレス機械が実際に稼働しているところを見るのは迫力がありとてもワクワクします。
自分の技術力でそのような機械を操作し、自由自在にモノづくりをするのはとても楽しいです。一つのことに集中してコツコツと製品に向き合いたい人には向いています。
目の前で一枚の板が製品として形作られるのを見られるのは現場の特権!
プレス作業はモノづくりの現場では欠かせない重要な仕事です。そのような重要な仕事を任せてもらえるのはやりがいにつながります。
達成感を味わえるところは、プレス加工作業の魅力の一つです。
自分自身の手でつくりあげた製品が、身近なものに使われていると思うと、やりがいを感じます。モノづくりが盛んな東海エリアで、製造のプロの一人として貢献できているのは嬉しいです。
プレス作業の仕事に向いている人
プレス業務に向いている人の特徴は以下の通りです。
・単調作業が好き
・細かい作業に集中できる
・丁寧かつ正確に作業ができる
・注意力が高く危険予知ができる
・ものづくりに興味がある
プレス作業は、モノづくりの最前線で活躍できる仕事ですが、単調な作業も多く含まれます。一つの業務を極めたり、専門知識を身につけたいという人には向いています。
ただし、長時間の細かな作業に専念できる集中力も必要です。機械操作を誤ると大きな事故につながる可能性もあるため、危険と隣り合わせであることを念頭に、安全にモノづくりを支えることが重要です。
プレス作業に必要なスキルや資格
プレス業務の仕事を始めるにあたって特別な資格は必要ありません。しかし、さらなるスキル・キャリアアップを目指すために、役に立つ資格もあります。
プレス機械作業主任者
プレス機械作業主任者は、プレス機械を管理する責任者のことです。プレス機の運用や作業員の指導、安全管理などを担当します。
プレス機を5台以上扱う工場では、この資格を持つ作業員を選任する必要があるため、重要な資格ともいえるでしょう。
金属プレス加工技能士
金属プレス加工技能士は、プレス加工技術を身につけていることを示す国家資格です。
工場板金技能士
工場板金技能士は、金属プレス加工技能士と同様に金属を加工する上で必要とされる技術を身につけていることを示す国家資格です。
プレス加工の将来性~最新のロボット紹介~
自動車産業、電子機器産業、航空宇宙産業など、金属プレス加工業界は今後も需要が急増していく可能性が高く、将来性が高い事業と言えるでしょう。
今後もより一層製品の競争力は強化され、常に最先端のロボットを導入し、いかに効率よくプレス事業を飛躍させるかというところに焦点が当たってきます。
岐阜県美濃加茂市にある金属製品の部品を製造・販売しているアイテック株式会社ではプレス加工を最新のロボットで自動化しています。
今後は人が行う手作業だけでなく、このようなロボットを扱う知識や操作スキルを磨く必要が出てくることでしょう。
■【工場見学】プレス加工を最新ロボットで自動化するプロセスを紹介します
新たな技術導入にはその技術を扱える人材育成とスキル向上も必須となってきます。今後のモノづくり業界が成長するためにも、様々な人材が求められてくることでしょう。
製造の魅力!プレス業務はモノづくりを支える
今回は、プレス作業の仕事内容をカンタンに説明しました。
”製造職”といっても、作業する内容は幅広く、色々なモノづくりの手法があるのが分かります。あなたにあった仕事を見つけるためにも、どんな仕事があるのか理解を深めるのが重要です。
モノをつくりだす製造業の魅力を感じた方は、ぜひ以下の記事も読んでみてください。
【次のキャリアを切り開きたい!転職のプロにキャリア相談】
みらいキャリアは、東海エリア(愛知・岐阜・三重)の製造業・メーカーに特化した地元転職エージェントです。
地域と業界の強みを活かし、あなたのキャリアを新たなステージへ導きます。
豊富なネットワークと専門知識を活かして、理想の職場環境やキャリアパスに合った求人情報を提供し、あなたの転職活動をサポートします。
まずは無料のキャリア相談から申し込みして、アドバイザーと転職の打ち合わせをしてみましょう。