転職活動では必ず作成する履歴書ですが、「手書き」と「パソコン作成」結局のところはどちらがいいのかと悩む方は多いのではないでしょうか。
今回は、迷った時の判断基準とそれぞれのメリット・デメリットを紹介していきます。
目次
【結論】履歴書は「手書き」と「パソコン作成」どちらでもいい
転職活動の履歴書作成は、結局のところどちらがいいのかというと、結論は「どちらでもいい」です。
Yahoo!意識調査「手書き履歴書とPC履歴書、あなたが採用担当者ならどちらの人材を選ぶ?」では、約14万件の投票がある中で「手書き」を選んだ方は72.2%、「パソコン作成」を選んだ方は27.8%という結果になりました。
しかし、2018年12月にdodaが行った「採用に関するアンケート」では、「どちらともいえない、どちらでもかまわない」という回答が42.7%とほぼ半数の結果となっています。
デジタル化が進む現代においては、履歴書をパソコンで作成するのがスタンダードになってきています。そのため、履歴書の内容さえ間違いがなければ、どちらでもいいというのが現状です。
企業ごとに作成方法の指定がある場合はそれに準ずる
応募したい企業の募集要項を確認し、履歴書の作成方法に指定がある場合は正しく従いましょう。
中には往復はがきで採用募集をする珍しい企業もあるため、必ずしも履歴書が必要でない場合あります。まずはその企業が求めている情報をしっかりと読み解き、準備を行うことが重要です。
作成方法に指定がない場合は業界を見てみる
特に指定がない場合は、業界をチェックしてみましょう。
例えば基礎的なITスキルが必要となってくるWeb業界・IT業界での転職では、必ずパソコン操作をする業務が発生します。
オフィス系ソフト(WordやExcel)が問題なく使えるスキルだと見せるためにパソコン作成の履歴書を提出するのはプラスに働きます。
「手書き」履歴書のメリット・デメリット
それでは、手書きの履歴書のメリット・デメリットについて紹介していきます。
【メリット】文字に気持ちを込められる
手書きの履歴書で真っ先に目に入るのは「文字の情報」です。
「筆跡心理学」、世界的には「グラフォロジー(Graphology)」と呼ばれているというものがあり、ヨーロッパの中でも、特にフランス・ドイツ・イタリアでは、この心理学を用いた性格診断は盛んです。
例えば
・文字の形が直線的でカクばっていれば真面目で慎重な性格である。
・文字の形がまるみを帯びていれば感受性が豊かである。
などが挙げられます。文字は人の心理的要素が働きやすい部分なんですね。
日本ではあまり浸透していない心理学ではありますが、無意識に文字を見てその人の性格を判断してしまうことがあるのは事実です。
昨今パソコン作成の履歴書が多い中で、ライバルとの差別化を図ることもでき、自分自身の性格や熱意を伝えることができるのは、手書き履歴書のメリットです。
参考元:世界の筆跡心理学について
【デメリット】文字を書くのが苦手・時間がかかる
手書きの履歴書でメリットとなるのは「文字の情報」ですが、逆にその部分がデメリットにもなってしまいます。
【字を書くのが苦手】
文字の特徴は人によりけりです。丁寧にきれいに書ける人もいれば、時間をかけても文字に独特なクセがあり乱雑に見えてしまう人もいます。
この場合は、手書きの履歴書が逆の印象につながってしまうため、注意が必要です。
【作成に時間がかかってしまう】
転職活動で重要な要素の一つに「スピード」があります。1社に対して熱意のある履歴書を作成することは、受け取った企業も気持ちを汲み取ってくれることでしょう。しかし、どうしても作成の時間に多くとられてしまうのも事実です。
就業しながら転職活動を進める人も多いので、自分自身がとれる時間やタイミングも把握することが重要でしょう。
【ポイント】履歴書を手書きするなら気を付けること
履歴書を手書きで作成する際のポイントを紹介します。
最低限以下のポイントを守って、企業への熱意を伝えられる履歴書をつくりましょう。
①ボールペンや万年筆を使って書く
読みやすい文字を書くために、ボールペンや万年筆を使って書くようにしましょう。
履歴書は正式な書類です。必ず黒のインクで適度な太さのペンを使うようにしてください。
また、消せるボールペンはNGです。万が一文字が消えてしまったり、にじんでしまった場合、重要な部分を採用担当が読むことができなくなるためです。
②誤字脱字に気を付ける
誤字脱字が発生した場合は、必ず最初から書き直すようにしましょう。
間違いを残したままにしたり、修正テープを使用して直してしまうと、せっかくの手書きの履歴書をマイナスな印象のものにしてしまいます。
ボールペンで清書をする前に、鉛筆などで下書きをすると誤字脱字が減ります。
③提出前にコピーをとろう
面接の場では、履歴書に沿った質問もされます。履歴書に記入した資格や志望動機が分からないと、面接対策することもできなくなるため、必ず提出前にコピーをとりましょう。
複数の企業へ履歴書を提出する場合は、どの企業にどの履歴書を送ったかもメモしておくと良いでしょう。
「パソコン作成」履歴書のメリット・デメリット
それでは、次にパソコン作成の履歴書のメリット・デメリットについて紹介していきます。
【メリット】最新の情報・作成時間の短縮・PCスキルアピール
【常に最新の情報に/内容のある履歴書】
編集が可能な書類のため、資格を取得したなどの際に、常に最新の情報に書き換えることが可能です。また、企業研究をする中で、追加したい文章や修正したい点が出てくることもあります。その場合、パソコン作成だと内容の推敲が可能で、より満足のいく履歴書が作成できます。
【作成する時間を短縮】
パソコンを利用することにより、スピード感をもって履歴書を作成することができます。空いた時間を使って、企業研究や面接対策に充てることもできるでしょう。
【PCスキルのアピールに】
オフィス系ソフト(WordやExcel)を利用できるのと同時に、レイアウトや表作成などが発生した場合の、簡単なスキルをアピールすることもできます。
【デメリット】誠意が伝わりにくい
採用担当者や企業によっては誠意が伝わりにくいのがパソコン作成のデメリットです。
面接で自己アピールや志望動機で熱意を伝える方法もありますが、まずは書類が通過しなければその機会もありません。気持ちのこもった文字を見て、熱意を感じる担当者の方もいます。
【ポイント】履歴書をパソコン作成するなら気を付けること
履歴書をパソコンで作成する際のポイントを紹介します。
最低限以下のポイントを守って、企業へ提出する正しい履歴書をつくりましょう。
①文字やフォントは統一する
パソコンで履歴書を作成する際は、オフィス系ソフトに標準搭載されている書体を選びましょう。例えば「MS 明朝」「MS ゴシック」「MS P明朝」「MS Pゴシック」などです。
上記の書体はビジネスでよく利用されるものであり、文字化けなどせずに企業に送付することができます。
②提出する企業の情報に変更することを忘れない
必要な資格の情報や志望動機、通勤時間など、企業によって違う箇所があります。パソコン作成した履歴書は使い回しをしやすいのですが、企業にあわせて内容を変更するようにしましょう。
③誤字脱字に気を付ける
パソコンでの作成はスピードをもって作成することができますが、予期しない誤字や脱字が発生しているのに気づかないことも多いです。注意力が散漫、見直しするクセがついていない、などのマイナスな印象につながるため、注意をしましょう。
これからはパソコン作成OKの企業が増えてくる?
「手書きの履歴書の方が熱意が伝わりやすい」「手書きの履歴書で提出してほしい」という企業はまだまだたくさんあります。特に高卒・新卒生に対してはその傾向が高いのではないでしょうか。
しかし、デジタル化が進んでいる世の中、パソコン作成で問題ない企業が多くなってきているのも事実です。だからこそ、手書きの履歴書が注目されるという面もあります。
自身が応募する企業や職種、そしてタイミングにあわせて、どのような形式の履歴書を作成するか考えましょう。
もし、履歴書の作成方法や形式に不安がある方は、転職エージェントに相談してみるのもよいかもしれません。転職のプロの集団である我々が、あなたの転職活動を徹底サポートします。
《採用担当に聞いてみた!》愛知・岐阜・三重の企業傾向は?
実際に企業の採用担当から、東海エリアは手書き・パソコン作成の履歴書のどちらが印象がいいのか、キャリアアドバイザーが聞いてみました!
私が担当している企業の採用担当者から聞いた話によると
「転職活動者が作りやすい形式を選んで良いが、この愛知・岐阜・三重の東海エリアでは”手書きの履歴書”の方がウケがいいよ」とのことでした。
東海エリアの企業や出身者は堅実な人が多いです。「石橋を叩いても渡らず、チャレンジよりも安定を選ぶ」イメージです。
だからこそ、コツコツとしたモノづくりに励むことは大得意。製造業・メーカーが盛んなエリアならではの特徴ではないでしょうか。
とはいえ「手書きだから」「パソコン作成だから」という理由で 書類選考で落としたりはしません。やはり重要なのは中身です!