製造業を目指すなら覚えたい用語を紹介！　～自動車業界編～

同じ職業の集団内（業界）や、それに詳しい人たちの間で用いられる、一般に広く通じない単語や言葉のことを「業界用語」と呼びます。
意識せずとも、実はその業界特有のワードをあなたは使っているかもしれません。
今回は、自動車業界でこれから勤める予定の方、勤めてからまだ日が浅い方に向けて、自動車業界でよく使われる用語を紹介していきます。
自動車業界に興味がある方も、ぜひご一読ください。

覚えよう！自動車業界でよく耳にする用語とは？

◎Tier1(ティアワン)とは

Tier1とはメーカーに直接納入する一次サプライヤーのことを言います。
また、Tier1メーカーに部品を供給する企業をTier2とも言います。
※メーカー…原材料などを加工することによって製品を生産・提供する企業
※サプライヤー…製品の部品などを製造して供給・納入する企業

◎PVとは

PV（Passenger Vehicle）とは乗用車のことを言います。

◎CVとは

CV（Commercial Vehicle）とは商用車のことを言います。

◎試作イベントとは

試作イベントとは自動車メーカーが量産する前の開発段階において行うイベントのことを言います。

◎車両開発大日程（大日程）とは

車両開発大日程とは、自動車の量産開始までのスケジュールを定めた日程表のことを言います。大日程と呼ばれるものは、おおよそ2年間のスケジュールとなります。

◎ASSYとは

ASSY（Assembly）とは、複数の部品を組み立て、一体となった部品の集合体のことを言います。「アッシー」と略して呼ばれることが多いです。

◎DV評価とは

DV評価(Design verification)とは、試作品での評価のことを言います。自動車メーカーが要求するスペックに達しているかを確認することを指します。

◎PV評価とは

PV評価(Process verification)とは、量産品での評価のことを言います。DV評価と同じく、自動車メーカーが要求するスペックに達しているかを確認することを指します。

◎IATF16949とは

IATF16949とは、自動車産業界における品質マネジメントの技術仕様のことを言います。継続的な改善や不良品ができることを防止すること、製品の統計的ばらつきの減少、サプライチェーンにおける無駄の排除を確実なものにするシステムです。
※IATFとはInternational Automotive Task Force の略であり「国際自動車産業特別委員会」とも呼ばれます。

◎TS規格とは

TS（Technical Specifications）規格
日本産業標準調査会（JISC）の審議にて、JIS制定へのコンセンサスが得られなかったものの、将来JIS制定の可能性があると、公表される標準文書のことを言います。

◎PPAPとは

PPAP（Production Parts Approval Process）とは、生産部品承認手続きのことを言います。自動車メーカーが部品メーカーから部品・材料を購入する際の手続きのことを指します。

◎KDとは

KD（KnockDown）とは、完成車の状態で海外へ送るのではなく、組み立て可能なある程度の状態にし、海外へ輸送して組み立てる生産方式のことを言います。KDにはCKDとSKDの2種類の手法があります。

◎CKDとは

CKD（Complete KnockDown）とは、完成車の解体輸出方式のことを言います。製造に必要な部品などを製造国から輸出し、現地で組み立てて車両を完成させることです。溶接、塗装、艤装、仕上げなどの作業も含まれます。

◎SKDとは

SKD（Semi KnockDown）とは、CKDと同じく、製造に必要な部品などを輸出し、現地で組み立てて車両を完成させることです。CKDと違うのは、あくまでボルトやねじの締結だけで車両を完成させることができるレベルでの部品を輸出する点です。

◎VEとは

VE（Value Engineering）とは、“設計段階”で製品の品質・機能などを落とさずにコストダウンを実現するためのことを言います。

◎VAとは

VA（Value Analysis）とは、“すでに生産されている”製品に対して、製品の品質・機能などを落とさずにコストダウンを実現するためのことを言います。VEとは違い、すでに生産中のものの設計や工程変更をするため、自由度が下がってきます。

◎CASEとは

CASE（ケース）とは、2016年パリ・オートショーにて、メルセデス・ベンツなどを傘下に収めるダイムラーAGのCEO、ディエター・チェッチェ氏が発表した経営戦略の中で用いた言葉です。
C＝Connected（コネクテッド）、A＝Autonomous（自動運転）、S＝Shared&Service（シェアリング）、E＝Electric（電動化）の略のことを指します。

◎MaaS（マース）とは

MaaS（Mobility as a Service）とは、従来の交通手段・サービスに、自動運転やAIなどのさまざまなテクノロジーを掛け合わせた、次世代の交通サービスのことをいいます

◎トヨタカレンダーとは

トヨタ自動車およびその子会社、関連会社、下請け会社などの取引先で使用される、稼働カレンダーのことを言います。完全土日休みですが、長期休暇以外の祝日は出勤であることが大きな特徴です。
特に東海エリア（愛知・岐阜・三重）で耳にすることが多いでしょう。

◎トヨタ生産方式（TPS）とは

ムダのない生産体制を構築するために、トヨタ自動車が生み出した生産方式のことを言います。
生産の大きなムダである不良品を作らない仕組みを構築する仕組みである「自働化」という考え方と、必要な時に必要な分だけ使い製造する「ジャスト・イン・タイム」という2つの考え方で支えられています。
トヨタ生産方式は別称として、TPS（Toyota Production System）とも呼ばれます。

◎カンバンとは

現場作業時に必要な情報が記載された紙切れのことを言います。各工程間でやり取りされる伝票のようなもので、製造に必要な時期や量、方法などの指示が記載されています。トヨタ生産方式の自動化とジャスト・イン・タイムを実現するための手法です。

◎カイゼンとは

工場の作業効率や安全性を現場で働く人間が知恵を出し合い解決・見直していく活動のことを言います。海外でも「Kaizen」と表記して広く使われている言葉です。

◎号口品とは

トヨタ用語の一つで、量産品のことを言います。トヨタでは、創業時から完成車を作るための部品のことを1号口、2号口と呼んでいたことが由来になります。

◎号試品とは

トヨタ用語の一つで、試作品のことを言います。

◎号試車とは

トヨタ用語の一つで、試作車のことを言います。

◎1A（イチエー）・一次号試とは

トヨタ用語の一つで、First Assembly Pre-productionを略して1Aと言います。新型車の1回目号試（試作車）のことです。

◎横展開とは

トヨタ用語の一つで、部署で確定した内容・情報を他部署・指揮系統に入っていない組織に水平方向（横）に伝えていくことを指します。共有をはかることで、社内のノウハウとしていきます。現在はトヨタ以外の会社でも使われることが多くなってきています。

まとめ

今回紹介した用語は、自動車業界でも使用されるほんの一部です。
また、業界やその地域、会社によっても特徴的な用語がたくさんあるかと思われます。
まずはよく使う用語を覚えて、業界に対しての理解も深めていきましょう！

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